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~Maurice Ravel~
作品名 :「鏡」より第1曲 「蛾」・第3曲 「洋上の小舟」・4曲 「道化師の朝の歌」
Miroirs
楽器編成:ピアノ独奏 ※「蛾」と 「洋上の小舟」はオーケストラのための編曲版もある。
作曲家 :ラヴェル.モーリス 1875-1937
Maurice Ravel
作曲年 :1904-05年ピアノ(オリジナル版)
初演年 :1906年パリ(フランス)
「ソナチネ」に引き続き1905年に作曲されたラヴェルの作品の中でも、とりわけ絵画的な小品集が「鏡」である。それぞれに標題がつけられてはいるが、これらは必ずしも描写的な音楽ではない。心象風景のように、聴くものの内面に問いかけるような、色彩的なムードを喚起させるのである。1901年の「水の戯れ」で定着しそうになったピアノ作品に抱かれる一般のラヴェルへの評価から意図的に逃れるかのように、作曲者はこの「鏡」によって新たなハーモニーとリズムの表現法をさらに推し進めている。
第1曲 「蛾」
夜の帳、その静寂の中で音も無く幻想的に乱舞する蛾の群れ。とても軽やかで表情に富みながら、暗く妖気までも感じさせる作品。“スイスの時計師”とも呼ばれたラヴェルは、この曲にはじまる「鏡」の精緻な音楽表現の世界に、瞬く間に聴くものを惹き込む。
第3曲 「洋上の小舟」
同時期にドビュッシーによって書かれた交響詩 “海”とは、対照的なほどラヴェルの“海”の情景は、刻々とめまぐるしい変化を遂げてゆく。穏やかにはじまりながらも、やがて荒れ狂うような波が現れ、不気味な静寂の中で遠くから響く雷鳴、風景を切り取ったかのように、自然の意図しないストーリーが鮮やかに展開され、耳を傾けていると、大海原に翻弄されながら漂う一艘の小舟の姿が浮かんでくるようである。ここではペダルの繊細な奏法によって、イメージは無限に広がってゆく。
第4曲 「道化師の朝の歌」
作曲者自身がタイトルに、“Alborada del gracioso”とスペイン語による表記をしたことにもうかがえるように、ここにあるのはスペインそのものである。ラヴェルの血に流れるバスク地方のリズムの躍動、燦々と輝く太陽や、道化師の歌や、かき鳴らされるギターの響きなどが、この曲の全体に感じられる舞踏的要素に、絶妙とも言える均整を保ちながら展開してゆく。
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更新日:2010年1月5日(火) 9:28 PM | カテゴリー:コラム
