柳澤康司Art Music研究室 | 吟遊詩人の歌 | グラズノフ|
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作品名 :吟遊詩人の歌 Op.71 Chant du menestrel for Cello and Orchestra, Op.71
楽器編成:独奏チェロとオーケストラ 又は作曲者によるチェロとピアノ版
作曲家 :グラズノフ.アレクサンダー 1865-1936 Aleksandr Konstantinovich Glazunov
作曲年 :1900年
初演年 :1902年3月18日ペテルブルグ(ロシア)
Vc:ア・ヴェルジビロヴィッチ
1892年のチャイコフスキーのインタビューの中で、ロシア五人組(新ロシア楽派)と保守主義派の対立について「それは誤解で悲しむべきこと。」と言っている。ロシア五人組はバラキレフを中心に、ムソルグスキー、R.コルサコフ、ボロディン、キュイといった作曲家のサークルで、保守主義派とはチャイコフスキーを含むそれ以外の作曲家達だが、若きグラズノフは五人組の後継者とされていた。しかしチャイコフスキー自身は、グラズノフの才能を認め、愛情を持ってその活動を見守っていたようである。グラズノフ自身も、対立よりも融和といった思想を持っていたのか、この“吟遊詩人の歌”を奏いていると、グラズノフが音楽で何を語りたかったのかが解ってくる。雄大なロシアの自然を髣髴とさせるテーマと、それを彩るチャイコフスキー的な優美なオブリガート、明るいボロディン風の中間部、巧みな対位法によって独奏チェロとオーケストラがクライマックスへ向かい、グースリーを奏でながら吟遊詩人は歌い続ける。おそらくグラズノフが達成しようとした事は、対立する二つの楽派を、自身の中で精神的に統合させた、新たなロシア音楽の本流を作ることだったのだろう。グラズノフはチャイコフスキーとロシア五人組、そしてショスタコーヴィッチをも結びつけるロシア音楽の歴史を語る上での強固な絆としての存在である。
~柳澤康司Art Music研究室~
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更新日:2008年9月4日(木) 3:39 PM | カテゴリー:コラム

