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作品名 :ハンガリー狂詩曲 (ハンガリアン・ラプソディ) 作品68
Hungarian Rhapsody Op.68
楽器編成:独奏チェロとピアノ(オリジナル版)
または
独奏チェロとオーケストラ(マックス・シュレーゲル Max Schlegel による管弦楽伴奏版)
作曲家 :ポッパー.ダーヴィット 1843-1913 
David Popper
作曲年 :
初演年 :
     
ポッパーの作品はすべて演奏できると言っていた若き日のカザルスでしたが、ハンガリーでのカザルスのコンサートに足を運んだポッパーは、その素晴らしい才能を認めながらも楽屋には立ち寄らず、帰りの地下鉄の中で友人に「でも私のこころを動かさない演奏だった。」と語ったそうです。その反面、クレンゲルは、バッハの無伴奏組曲を生徒に教えながら、自身のものではないカザルスのフィンガリングを書き込んで、「こちらの方が良いから。」と言っていたそうです。旧時代のチェロ奏法から現代チェロ奏法に移行し始めた時代の話です。

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ダーヴィット・ポッパーはチェロのサラサーテとも言われていた、プラハ出身のチェロのヴィルトーゾで、ウィーン、ハンガリーなどで活躍しました。ピアノ演奏も巧みだったので、作曲ではチェロパートをより効果的に引き立てるようなピアノ伴奏を書くことができました。例えば、マズルカOp.11-3などでのピアノの使い方は、たいへん見事なものです。
七つのハンガリー民謡を巧みに取り入れている、このハンガリー狂詩曲は、サラサーテのチゴイネルワイゼンに並ぶ作品とまで言われている技巧的な作品ですが、チゴイネルワイゼンほどには、ポピュラーではなく演奏されることも少なく録音も多くありません。また様々な演奏解釈があり、エマニュエル・フォイアマンの録音では、オーケストラの序奏の後、冒頭の二つのカデンツァは演奏していませんが、物足りないというよりもかえって音楽的な面からはとてもバランスがとれていると感じます。マリア・クリーゲルの録音は、ほぼ楽譜通りの演奏で、現代的な解釈とでもいうのでしょうか、とても整っています。
かつては、カザルスもこの作品を演奏したのでしょうが、録音は残されていません。またポッパー自身の演奏も録音されていませんが、ポッパーの弟子の一人でもあった、アードルフ・シッファーがもしポッパーの演奏スタイルを伝えていたとしたなら、その門下生であるヤーノシュ・シュタルケルが最もスタンダードな解釈をしているのかもしれません。シュタルケルは、自国ハンガリーの民謡がちりばめられたこの作品を精緻でありながら歌心も忘れずにまとめ上げています。

チェリスト 柳澤康司音楽解説

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